二重窓で防音|騒音対策やピアノの音を軽減することはできる?

二重窓 防音 二重窓リフォームの基礎知識

住宅の悩みとして常に上位にくるのが騒音ですね。

  • 幹線道路沿いでクルマの音が夜でもうるさい
  • 飛行機の発着音が耐えられない
  • わが家のピアノの音が洩れていないか心配……

こんな騒音問題が気になっているのなら、二重窓にすることを検討してみましょう。
内窓を設置する二重窓リフォームは、費用対効果がバツグンの防音対策になりますよ。

ここでは、

  1. 騒音が伝わる仕組み
  2. 窓は音を伝えやすい?
  3. ガラス交換だけでは防音効果なし
  4. 防音工事に助成金が出るって本当?

といったテーマで解説していきます。

クルマの騒音がうるさいのは窓のせい?

ここでは外から騒音がどうやって家の内部に伝わってくるのか?
検証してみましょう。

外壁は分厚く何層にも分かれている

一般的に住宅の外壁は、雨水の浸入を防止したり断熱性能を確保したりするため、何層にも分かれているのが特徴です。
まず外気と触れる外壁材(サイディングなど)の下に通気層があり、その下に透湿シートや構造合板があり、間柱の空間にはグラスウールなどの断熱材があり、内部は石膏ボードの上から壁紙が貼ってあります。
木造では外壁の厚みは15〜20センチ程度。
これくらいの構造体で守られていれば、かなりの遮音性能が期待できます。
実験によっても、中音域〜高音域の遮音性能が優れていることがわかります。
木造住宅における外壁の遮音性能は一般的にD-35~40程度と言われています。
日本建築学会・遮音性能評価水準より引用
上手の通り集合住宅(マンション)での遮音性能はD-40以上が推奨されています。
したがって木造住宅の外壁はマンションには劣るものの、まあまあの遮音性能があると考えて良いですね。

ガラス窓は薄く遮音性能が低い

一方で窓の遮音性能を見ていきましょう。
一般的なサッシに入っている窓ガラスは5mm程度なので、いかにも遮音性が低そうな気がしますね。
実際に実験した結果、5mmの単板ガラス(FL5)で-29dbでした。
http://www.cg-glass.jp/pro/pdf/all/technique_P67-76.pdf
外壁と比較すると、かなり劣っていることがわかりますね。

また窓を構成するのはガラスだけでなく、サッシ部分もあります。
アルミサッシはガラスより遮音性能が劣るため、サッシ部分からの音漏れが起こるのです。

ペアガラスへの交換のみでは効果は限定的

では窓ガラスをペアガラス(複層ガラス)に変更してみるのはどうでしょうか?
残念ながらペアガラスは断熱性能を高める効果はありますが、防音性能に関しては期待できません。

http://www.cg-glass.jp/pro/pdf/all/technique_P67-76.pdf

上図のとおり、ペアガラスと単板ガラスとを比較すると、ほとんど遮音性能が変わらないことがわかりますね。
ペアガラスは厚みがやや増えるものの、防音効果はほとんど変化しないのです。

防音対策には二重窓がオススメ|空気層が騒音をシャットアウト

窓の遮音性能を高めるには、外壁と同様に厚みをアップして空気層を作るしかありません。
そこで防音対策として有効な手段となるのが、既存の窓に内窓を設置する二重窓リフォームです。
二重窓にすることで分厚い空気層ができ、騒音が伝わりにくくなります。
さらに内窓部分のガラス面やサッシの遮音性能が加わることで、音漏れを防ぐのですね。
実際に測定してみると、単板ガラス(3mm)の遮音性能が-25dbであるのに対し、二重窓リフォームによって-40〜45dbに大幅にアップできることが分かりました。
https://www.asahiglassplaza.net/products/reglass/madomado/soundproof.html
-40dbというと、マンションで推奨される遮音性能を満たす程度のレベル。
十分な防音効果が期待できますよね。

ピアノの音漏れにも効果あり

騒音対策は、クルマなど外から入ってくる音だけではありません。
自宅でピアノなどの楽器を鳴らしたり、小さい子どもが騒ぐ声も騒音となりますよね。
自分たちが出す音が、近隣住民にとっては騒音となっている可能性もあります。
近隣トラブルを未然に防ぐためにも、二重窓による防音対策リフォームは欠かせないと言えますね。

基地や飛行場周辺では防音リフォーム工事に助成金が支給される

ちなみに上記のような防音対策リフォームに対して、補助金や助成金は支給されるのでしょうか?
一般の地域では特にそういった助成制度はありませんが、自衛隊や米軍などが利用する飛行場付近に存している住宅なら可能性があります。
戦闘機などが発する騒音への補償として、周辺の住宅の防音リフォームを助成する制度があるのです。

自衛隊や在日米軍の飛行場周辺の航空機騒音による障害を防止又は軽減するため、飛行場周辺地域の住宅に対して、換気扇、冷暖房機、防音天井・壁及び防音サッシの設置等の防音工事の助成(原則100%助成)を行っています。

引用元:住宅防音工事の助成

窓だけでなく壁なども対象となっています。
原則としてリフォーム費用を全額助成してくれますので、該当するエリアならば利用しない手はないでしょう。
下記に地域ごとの問い合わせ先をまとめていますので、参考にしてください。

問い合わせ先
北海道北海道防衛局
電話:011-272-7578
横田飛行場ほか北関東防衛局
電話:048-600-1821
神奈川県(厚木基地)
静岡県(浜松飛行場)
南関東防衛局
電話:045-211-7113
岐阜県東海防衛支局
電話:052-952-8226
小松飛行場及び饗庭野演習場周辺近畿中部防衛局
電話:06-6945-4967
九州九州防衛局
電話:092-483-8823
沖縄県沖縄防衛局
電話:098-921-8150
防音工事助成金の問い合わせ先一覧

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