二重窓でも結露は防げない?原因から探る解決策&体験談

二重窓 結露 二重窓リフォームの基礎知識

冬になるとサッシの結露に悩まされていませんか?
「拭いても拭いてもビショビショになる」
「サッシの周囲にカビが生えた……」
といった経験をされているかもしれません。

そんな窓サッシ付近の結露を防ぐのに効果的なのが、内窓を設置する二重窓リフォームです。
ここでは、

  1. 結露の原因は室内の湿度と温度差
  2. 結露を防ぐには二重窓で空気層を作る
  3. もし二重窓でも結露が発生するときの対策は?

といったポイントで解説していきますね。

結露の原因は室内の水蒸気|飽和水蒸気量と露点温度の関係について

結露の原因は室内の水蒸気と窓の表面温度

まずなぜ窓サッシに結露が発生するのか?
その原因を考えてみましょう。
ポイントは、

  1. 飽和水蒸気量
  2. 露点温度

の2つ。
ちょっと難しい話になるかと思いますが、中学校・理科の授業を思い出しながら聞いてみてください。

空気が暖まると飽和水蒸気量が増える

空気中に水分が含まれているというのは、ご存知ですね。
これを水蒸気と呼びますが、空気中にどれくらいの量の水蒸気が存在できるかという限界値があります。
この限界値を飽和水蒸気量といいます。
飽和水蒸気量は気温によって変化します。
気温が高くなると飽和水蒸気量も大きくなるというのは、実感としてわかりますよね。
夏に湿気が多くてベタベタ感で不快な思いをするというのは、気温が高くて飽和水蒸気量が上がっているからなのです。
そして冬でも、室内は暖房をつけて暖かくしています。
したがって外気温は低くても、室内では飽和水蒸気量が大きい状態となっているのです。
ここで温度が急に低くなったケースを考えてみましょう。

図のように空気中の水蒸気量がそのままの状態で、気温が下がると、飽和水蒸気量 < 現在の水蒸気量となってしまいますね。
こうなると余った水蒸気は気体としての状態が維持できず、液体の水、すなわち結露となって現れるわけです。
この水蒸気が液体に変化する温度のことを、露点温度と呼びます。
窓ガラスの結露は、この露点温度が関係しているのがおわかりでしょう。

ガラス表面温度<露点温度になると結露が発生する

室内すべてが同じ温度なら良いのですが、どうしても温度が低くなる部位があります。
それが
住宅の壁や屋根に比べて、窓は熱の伝わりやすさ(熱貫流率)が高いという特徴があります。

室内側と室外側の温度差を1℃とした時、窓ガラス1㎡あたりにたいして、1時間の間にどれだけ熱が通過するかといった熱量のことをいいます。 ここで覚えて頂きたいのは、この熱貫流率の値が、低ければ低いほど、熱の移動を少なく抑えられるということです。

引用元:熱貫流率を小学生でも分かるように徹底解説 – 窓ガラス・サッシ専門店 窓工房

したがって室内が暖かくても、窓ガラス・サッシ枠の表面温度が低くなってしまうというわけ。
そして室内の空気が窓に触れると、表面温度<露点温度になって、水蒸気が液体になり、結露してしまうのです。

結露の原因を解消するには?

ここまで見てきたとおり、結露の原因は窓の表面温度が低いからということが分かりました。
したがって結露を防ぐには、

窓の熱貫流率を下げる
→窓の表面温度が下がらなくなる

ということを考えていかなくてはなりません。

空気の層を作ることで、窓の熱貫流率を下げる

それでは窓の熱貫流率を下げるには、どうしたら良いのでしょうか?
壁や天井などであれば断熱材を入れることができますが、窓はそうはいきません。
結論としては、新たに空気の層を作ることで熱貫流率を下げる方法が一般的です。

熱伝導率
W/(m・K)
アルミ210
板ガラス0.78
空気0.02
素材別の熱伝導率の比較
+1級・環境設備-03章.inddより引用)

上表で見られるとおり、アルミ(サッシ)やガラスと比較して、空気の熱伝導率は非常に低いことがわかりますね。
したがって窓に空気層が入ることで、全体の熱貫流率はぐっと下がることが期待できます。
既存の窓に空気層を設ける方法としては、

  1. 内窓をつけて二重窓にする
  2. ガラスを空気層のある複層ガラスに交換する

の2つが考えられます。

窓の断熱化リフォームは二重窓がおすすめ

ここでは二重窓とガラス交換の比較をしてみましょう。
結論としては、結露防止効果が高い二重窓のほうがオススメです。

二重窓は結露防止に効果がある

既存の窓に内窓をつける二重窓リフォームは、比較的かんたんに実現できる方法です。
室内側から内窓をかぶせるだけなので、壁を壊すなどの大掛かりな工事が必要ないからですね。
結露防止としての効果も優秀で、東北大学ほかの研究によれば二重窓リフォームした住宅では結露発生確率が約1/2に下がるというデータもあります。

住宅における結露・カビの発生要因に関する調査研究

既存のサッシと内窓の間に空気層が生まれることで、熱貫流率が下がったことが要因でしょう。

複層ガラスに交換してもサッシ枠が結露する

単板ガラスだと熱を通しやすいが、複層ガラスは熱を通しにくい
単板ガラスと複層ガラスの熱伝導率の違い

二重窓とは別に窓の空気層を確保する方法として、ガラス部分を複層ガラスに交換することが挙げられます。

複層ガラス(ペアガラス)とは2枚のガラスを重ねて中間層を設けることで、熱伝導率を下げるというもの。
中間層は空気がある製品と、真空になっている製品(スペーシアなど)があります。
真空になっているほうが、より熱伝導を抑えられますね。

この複層ガラスに交換するメリットとしては、既存のサッシをそのままに手軽にグレードアップできるということが挙げられます。
ただこの複層ガラスに交換しても結露がおさまらない、という声が多いのも事実。

アルミ窓枠材の結露防止

なぜかというと、複層ガラスにすることでガラス面の結露は防げても、旧来のアルミサッシの部分から結露が発生してしまうから。
前段の熱伝導率比較表で示したとおり、アルミはガラス以上に熱伝導率が高い素材なのですね。
最新の樹脂サッシなどを用いれば断熱性能が高いのですが、古いアルミサッシのままだと結露を完全に防ぐのは難しいのです。
したがって結露防止という観点から見ると、ガラス交換の効果は今一つということですね。

二重窓にしたことで結露がなくなったリフォーム体験談

ここで二重窓リフォームの体験談をご紹介します。

リフォームのきっかけ

新築時は問題はありませんでしたが、。だんだん年月が経ってくると、北側の部屋の窓の結露が気になるように。
窓の周辺にカビが発生することもあり、リフォーム会社に相談してみたのがきっかけです。

リフォーム費用

1か所だけなので10万円程度で済みました。

リフォーム後の効果

窓のリフォームをしてからは冬になっても以前のようなひどい結露に困ることは無くなってホッとしています。
結露だけでなく、二重窓になったせいか外の音も入りにくくなったように思います。
防音の効果もあるのではないでしょうか。

二重窓でも結露が止まらない?原因と対策

上記のような良い結果がある一方で、内窓を設置してもぜんぜん結露がおさまらない……といった声もあります。
こういったときは、窓以外の原因を考えてみましょう。

  • 壁や天井などの断熱性能が低い
  • 室内の湿度が高すぎる
  • 適切な暖房機器を使っていない

といったことが考えられますね。

壁や天井の断熱リフォームをする

外断熱か?内断熱か?
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2001.3/0/2001.3_1609/_pdf
外断熱のほうが効果が高いが、大幅なリノベーションになる。
リフォームでは内断熱のほうがオススメ。
エコカラット
珪藻土

こまめに換気をおこなう

暖房機器は水蒸気が発生しないものに替える

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