二重窓にすると結露対策になるという話を聞いたことはありませんか?
既存の住宅で二重窓など開口部を断熱化するリフォームをすると、結露防止だけでなく光熱費の節約やヒートショック防止にも役立ちます。
ここでは、
- 国や自治体の補助金を活用して二重窓リフォームを安くする方法
- 断熱リフォームのメリット・デメリット
- 二重窓にする費用相場
といったポイントで解説していきます。
もし補助金を活用して窓リフォームを検討しているのなら、なるべく早めに動き出したほうが良いでしょう。
国や自治体の補助金には予算が設けられていて、予算が上限額に達したところで締め切りになってしまいます。
つまり、早いもの勝ちというわけですね。
ちなみに補助金の申請手続きには、リフォーム業者による見積書が必要です。
もし地元のリフォーム業者に心当たりが無いのであれば、無料でリフォーム業者を紹介してくれるサービスタウンライフリフォームが良いでしょう。
各エリアの優良業者のみが登録されているので、悪質な訪問営業も避けられますよ。
また複数の業者による相見積もりもカンタン入力で申し込めるので、「なるべく安くリフォームしたい!」という人にもオススメです。
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国の補助制度|戸建て住宅の断熱リフォームで最大300万円
ここでは国内どんな地域でも利用できる補助金・助成金の紹介をしています。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
公募要領パンフレットより引用
補助対象物件 | 戸建住宅 マンション(個別) マンション(全体) |
---|---|
対象リフォーム | ①高性能建材(ガラス・窓・断熱材) |
補助率 | 工事費の1/3 【上限額】
※一戸あたり |
申請期間 | 【一次公募】 2021年3月23日(火)~2021年5月14日(金)17時必着 |
問い合わせ先 | 公益財団法人北海道環境財団 補助事業部 メール:danref_ask@heco-hojo.jp 電話:011-206-1573 (受付時間:平日10:00~17:00) |
この既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、環境省が主体となって既存住宅の温室効果ガス削減を目的として行われているものです。
対象となるリフォームは窓などの断熱化の他にも、
- 家庭用蓄電池
- 蓄熱設備
- 熱交換型換気設備
があります。
補助対象となるのは、申請者が常時居住する住宅となっています。
したがって、
- 法人が所有している住宅
- 賃貸物件
は対象外です。
ただしマンション全体がリフォーム対象の場合は、管理組合が申請できます。
また専用住宅のみなので、店舗や事務所用途の建物は申請できません。
戸建て住宅の場合は上限額120万円と、かなり手厚いですね。
次世代省エネ建材の実証支援事業
補助対象物件 | 戸建住宅 マンション(個別) |
---|---|
対象リフォーム | 壁や屋根の断熱改修 窓や玄関ドアの断熱化 高効率換気システム |
補助率 |
工事費の1/2 【上限額】
※一戸あたり |
申請期間 |
【一次公募】 【二次公募】 |
問い合わせ先 |
メール:info@sii.or.jp 電話:03-5565-3110 |
この次世代省エネ建材の実証支援事業は、経済産業省が主体となって省エネ建材を使ったリフォームを支援していくというもの。
主に戸建て住宅における外張り断熱や内張り断熱をターゲットとしています。
したがってリフォーム内容も壁や屋根などの断熱化が必須。
その断熱化に伴って、二重窓などの開口部の断熱リフォームも対象となります。
戸建て住宅全体の断熱リフォームは大掛かりな工事となりますが、その分補助の上限額も300万円と高額になっていますね。
また内張り断熱であれば、戸建て住宅の他にマンションも対象になります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
〜パンフレットより引用〜
長期優良住宅化リフォーム事業とは、国土交通省が進めている中古住宅の長寿命化の一環として行われている補助制度です。
対象となるリフォームは二重窓などの省エネルギー対策の他に、
- 耐震リフォーム
- バリアフリー
- 子育て世帯向けリフォーム
- 防災性を向上するリフォーム
など様々な内容があります。
長期優良住宅化リフォーム事業の申請をするには、事前に専門家によるインスペクション(建物の現況調査)を行わなければいけません。
その分の費用はかかりますが、補助の上限額が100〜300万円と非常に手厚いので十分にお得になりますよ。
こどもみらい住宅支援事業(終了)
令和4年度から新たに創られた補助制度が、こどもみらい住宅支援事業です。
こどもという事業名が示すとおり、主に子育て世帯をターゲットとして住宅の新築やリフォーム工事に対する支援を行うというもの。
ただしリフォームに関しては、子育て世帯に限らずその他の世帯でも申請できます。
補助対象となるリフォーム内容は
- 断熱改修
(窓や壁・床など) - エコ住宅設備の設置
(太陽熱利用システムや高効率給湯器など) - 子育て対応改修
(ビルトイン食洗機や宅配ボックスなど)
といったもので、前年までのグリーン住宅ポイント制度に似ています。
ただグリーン住宅ポイント制度との相違点として、ポイントではなく現金で補助額を支給するという点が大きいですね。
やはりポイント還元して商品と交換するというのは、まどろっこしいです。
今回のこどもみらい住宅支援事業では最大で30~60万円の現金補助が受けられる上に、工事費用にそのまま充当することも可能。
よりオトク感が増した制度となりました。
こどもみらい住宅支援事業による二重窓リフォーム補助金の詳細については、以下のリンクからどうぞ。
グリーン住宅ポイント(終了)
〜制度概要 | グリーン住宅ポイント制度より引用〜
グリーン住宅ポイントは、国土交通省による2021年限定の施策です。
現金還付による補助制度ではなく、ポイントを支給する形。
支給したポイントを使ってキッチン用品などの商品と交換したり、追加のリフォーム工事を行ったりというかたちでお得になる制度ですね。
現金還付ではないのであまりピンとこないかもしれませんが、最大で30万円相当のポイントがもらえますから、忘れずに申請しておきたいですね。
申請対象となるのは二重窓などの開口部断熱リフォームの他に、
- 高効率給湯機(エコジョーズなど)
- 節水型トイレ
- 節湯水栓
といった手軽なリフォームも対象になっていますから、小規模な工事でもポイントをもらえる可能性も。
詳細をチェックしてみましょう。
自治体による補助金・助成金|東京以外の市町村でもアリ
国以外でも、都道府県や市区町村が主体となって省エネリフォームの補助金・助成金を設けています。
例を挙げて見ていきましょう。
家庭における熱の有効利用促進事業(東京都)
〜事業案内チラシより引用〜
東京都では地球温暖化防止の一環として、高断熱窓やドア交換に対して補助金が支給されます。
支給額は経費の1/6(上限額50万円)。
この東京都の制度は、前述した国の補助制度と併用することが可能です。
併用すればかなり費用が抑えられるので、リフォーム業者の見積もり時に相談してみましょう。
その他市町村の補助金・助成金
その他市町村による二重窓リフォームの補助制度については、都道府県別にまとめてみました。
各市町村で補助額や条件などが異なりますので、必ずお住まいの地域でチェックしてみましょう。
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
富山県
石川県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
福岡県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
窓を断熱化するメリットとは?
ここで二重窓などで断熱化リフォームを行うメリットを考えてみました。
冷暖房の効率が上がり光熱費の節約になる
まず第一のメリットとして冷暖房の効率が上がります。
例えば冬の暖房時にせっかく室内を暖めていても、家の外に熱が逃げてしまうと効率が悪いですよね。
住宅から熱が外に逃げる割合を測定した実験によれば、開口部(窓やドア)からの割合が全体の58%となりました。
〜省エネルギー建材普及促進センター | 【Q&A】開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?より引用〜
ほぼ半分の割合で、窓から熱が逃げていると考えて良いでしょう。
逆に夏の冷房時には、外からの熱が室内に入ることで冷房効率が悪くなります。
したがって二重窓などで窓の断熱化をしてあげれば、熱が逃げにくくなり冷暖房効果がアップするというのは自明のことですね。
窓断熱リフォームは費用対効果(いわゆるコスパ)が非常に高く、おすすめの省エネリフォームと言えます。
ヒートショック防止
高齢者が亡くなる原因の一つに、体感温度の差によるヒートショックがあげられます。
トイレや浴室などでヒートショックによって亡くなるケースが、年間19,000人とも言われていますね。
本邦における入浴中の事故死者数は1年間で約1万9千人であり、また家庭浴槽内での死亡者数はこの10年間で約1.7倍に増加したと報告されている。入浴時の事故原因は、居住空間内での寒暖差による血圧の急変に起因する失神や不整脈、脳出血等であると言われており、この様な健康被害を入浴時ヒートショック(以下、HS)といい、血液循環機能等が低下した高齢者が死亡者数の9割を占めるとする報告もある。
このような不幸な事故を防ぐためにも、高齢者のいる世帯では断熱リフォームをおすすめします。
二重窓とあわせて、バリアフリー改修も行えば補助金が上乗せされるというメリットもありますよ。
結露防止
気密性が高くなった現在の住宅では、窓の結露が問題となりますね。
冬の間に結露が酷く、何回も雑巾で拭き取ったという経験をしているかもしれません。
この結露対策として、二重窓などの断熱リフォームは非常に効果的です。
結露防止については、以下の記事が詳しいです。
実際に私の住んでいる家でも結露が酷かったのですが、断熱リフォームによりほほ結露がゼロになりました。
ただし窓断熱リフォームのみ行うと、壁などに結露が発生してしまうリスクがあります。
窓とあわせて壁や天井の断熱リフォームも検討してみましょう。
窓の断熱リフォームの方法
それでは実際に窓の断熱化をするには、どんな方法があるのでしょうか?
- 二重窓(内窓設置)
- サッシ交換
- ガラス交換
大まかに分けると、上記の3つのリフォームが一般的です。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう
二重窓(内窓設置)
一般的に二重窓と呼ばれているのは、既存の窓の室内側にもうひとつ窓を設置すること(内窓設置)です。
二重窓のメリットは、比較的施工が簡単で短時間で工事が完了すること。
一箇所あたり1時間程度で完了します。
断熱効果も高く、結露防止の他にも、
- 防音効果(二重窓 防音)
- 防犯効果
といったメリットもあります。
逆にデメリットとしては、
- 開け閉めを頻繁に行うと面倒
- 隙間にホコリが溜まる
- 窓の厚みで部屋が狭く感じる
といったことも。
いくつかのデメリットを考慮しても、比較的手軽で効果が高い二重窓リフォームは、最も人気がある省エネリフォームですね。
サッシ交換
既存のサッシを入れ替えるサッシ交換は、かなり大掛かりな工事となります。
したがって時間もコストも増えてしまう傾向にありますね。
またマンションの場合はサッシが共用部分にあたるため、勝手に交換することは許されません。
管理組合に相談する必要があります。
ガラス交換
既存のサッシが特殊な場合などは、交換や二重窓化が難しいケースもあります。
そのようなケースではサッシ枠は現状のまま、ガラスのみ交換するという方法がありますね。
ガラスが二重になっている複層ガラスに入れ替えることで、断熱性能が向上します。
比較的手軽なリフォームなので、工期や費用もあまりかかりません。
ただ既存のサッシ枠からの熱貫流率は変わらないので、効果が限定的というデメリットもありますね。
二重窓リフォームの費用相場
ここでは二重窓(内窓設置)リフォームの費用相場を見ていきましょう。
|
幅(mm) | ||||
---|---|---|---|---|---|
|
〜1000 | 1001〜1500 | 1501〜2000 | 2001〜3000 | 3001〜4000 |
高さ(mm) |
|
|
|
|
|
〜600 | 25,900 | 27,600 | 30,300 | 36,900 | 52,300 |
601〜1000 | 28,700 | 31,400 | 34,700 | 43,500 | 64,400 |
1001〜1400 | 31,400 | 35,800 | 40,200 | 50,100 | 76,500 |
1401〜1900 | 50,100 | 57,800 | 66,600 | 84,200 | 131,000 |
1901〜2450 | – | 68,300 | 78,700 | 99,100 | 158,000 |
※一般的な引違い窓に複層ガラス型の内窓を設置する
※単価は材料費・工賃を含む
上表のとおり、窓の大きさによって一窓あたりの費用が変化します。
一般的なサイズの窓の場合、一窓あたり3万円〜5万円と覚えておきましょう。
実際の見積もりには、上表の単価に加えて仮設費や諸経費などが別途上乗せされます。
二重窓Q&A
二重窓など断熱リフォームでよく聞かれる問い合わせを、まとめてみました。
二重窓はどんなサッシでも設置できる?
二重窓を設置できるのは、基本的に引き違いタイプやはめ殺し(固定)タイプのサッシです。
その他の、
- 内倒し窓
- すべり出し窓
- ルーバー窓
などのタイプは、内窓と干渉してしまうので取り付けできません。
サッシ交換やガラス交換などの代替案を検討してみてください。
マンションでも二重窓にできる?
マンションでは区分所有者が改良できる専有部と、管理組合が権限を持つ共用部に分かれています。
サッシの内側は一般的に専有部と解釈されますので、内窓設置は個人で行うことができます。
ただし工事の内容によっては共用部に範囲が及ぶことがありますから、あらかじめ管理組合に相談してから工事を行いましょう。